2009年に組んだPCを使っていたが、力不足だと感じたので二号機を組むことにした。
組み立て作業からOS・ソフトウェアのインストールと、いろいろなトラブルがあったので、その記録をここに残す。
今回の構成
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図1.2009年からのパーツの遷移 |
- CPU : core i3 6100
- MB : H170 PRO
- MEM : 8GB*2
- VGA : Radeon HD7750
- SSD : 240GB MLC
- OS : Ubuntu 16.04 64bit
- Cinnamon 3.0
Windowsは今回はインストールしない。
大学で配布されたアカデミックアライアンスのWindows7を使っていたが、卒業後の再インストールは規約違反になり、使えないからだ。
規約ではOfficeのインストールは認められないと書かれているが、当時は大学で配布されているOffice2007を普通に突っ込んでた。
大学生を囲うためのMSDN AAなのに「OSはOKだけどWordとかはダメやで」って無理な話なのでは。
レポート書くためにMSの"ありがたい"Word形式に統一せなアカン。
まぁインストールしても警告も何も出なかったけど。
Windows10は出費が増えるのでまだ買わない。
なのでPSO2は一時的に引退。
Overwatchやりてぇ……。
1. PC自作編
1.1. CPUクーラーにはグリスが既に塗布されている
いざ付属のクーラーをつけようとして気づいた。「あれ!? グリスがない!」
ドスパラさんが添付してくれたシートには「米粒大でグリスを〜」と書いてあった。
そうだよな、それをヘラの伸ばすんだよな……。
よく見るとクーラーに漢数字の「三」のような形で何かが塗られている。
ググったたところ、これがグリスのようだ。
ちなみに、シールの向きを合わせたかったので一度クーラーを外したところ、ちゃんとグリスは広がっていた。
漢数字の「三」の形には意味があるようだ。
PCパーツの進化ってしゅごい。
1.2. Qコネクタが付属していない製品だった
ケースの電源ボタンや、オーディオのケーブルをマザーボードに接続する必要がある。雑誌の組み立てガイドを片手に作業をしていたが、「H170 PRO」には接続を便利にするQコネクタ は付属していない。
マザーボードとケースのマニュアルをにらめっこしつつ、接続は成功。
電源ボタン、リセットボタン、オーディオジャックは問題なく機能してる。
どうにかなるもんだ。
1.3. CPUクーラーの初動がすごい
不具合なのか正常なのかわからないが、CPUクーラーのファンの回転数が一時的にすごいことになる。電源を入れて3秒くらいはファンが回らず、そこから5秒くらい高回転する。
ググると、マザーボードの制御が関係していることがわかった。
起動時には、ファンコントロールが有効になっていないので、ファンは全力回転します。なるほどねー。
その後、ファンコントロールのソフトウェアが始動することで、ファンの回転数が必要なところまで下がります。
UEFI/BIOSのグラフィカルな表示には感動したけど、ファンコントロール機能は始めてだったから気づかなかった。
1.4. 裏配線は難しい
数年の間に、PCケースは一気に進化した。電源は下に置かれ、5インチベイ・3.5インチベイはスッキリ。
裏配線でケーブルはすっきりし、ケースの底と天井はメッシュ構造でファンをつけられるようになった。
すばらしい。
サイドパネルは透明がいい。BTOだとケースが選べない。
価格.comでも「サイドパネルが透明」という検索を追加してほしいな。
SSDをケースの背面に設置できるが、SATAの電源ケーブルが少し面倒だった。
末端の接続はL字になっており使えず。
途中の分岐をエビ反りするように強引に曲げて接続した。
まぁ大丈夫でしょ。
ここから、いくつかのトラブルに遭遇することになる。
2. OSインストール編
2.1. Ubuntuか、それともLinuxMintか
判断基準は3つあった。- LinuxKernel 4系を使いたい
- デスクトップ環境はCinnamonがいい
- 共有メモリは0になってほしい
一般的にはゼロらしいが、LinuxMint17.2ではある日を境に肥大化し、システムがフリーズするまでに至った。
Ubuntuでの確認は取れていなかったが、「共有メモリゼロ説」はシェア率の多さから期待していた。
選択肢は2つあった。
- LinuxMint 17.3をインストールし、カーネルを4系に更新する
- Ubuntu 16.04をインストールし、Cinnamonを導入する
結果をいうと、いろいろな設定に手こずっている。
メモをしながらこの記事の執筆と平行して対処しているが、場合によってはLinuxMint 17.3にしようかと考えている。
それぐらい問題が多く、記事もこの下に続いていくぞ★(白目
2.2. インストール後に現れた"grub rescue"
Linuxのいいところは、パーティションを切っておくと、個人の画像などのデータはそのままに、システムだけ置き換えることができる。Windowsだと「マイドキュメント」を全部ふっとばすからね。
これまではSSDにLinuxMint 17.2をインストールしていた。
パーティションを切って使用し、OSの入れ替えを見越しておいたのは正解だった(図2)。
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図2.LinuxMint 17.2当時のパーティション |
インストール自体はUSB3.0とMLCチップを搭載したUSBメモリのおかげか、1分ちょっとで済んだ。
めちゃくちゃ速い!
が、Ubuntuは起動せず、代わりに現れたのは「no such partition」というエラーと「grub rescue」というプロンプトだった。
このトラブルについては、別に記事を書くので、必要な人は参照してほしい。
- 執筆中
homeディレクトリも引き継ぐことができた。
3. インストール直後の設定編
3.1. 日本語入力は標準でfcitx+Mozc
今回は日本語Remix版(64bitのみ公開)を使用している。(Remix版でなくても、日本語入力にはfcitx+Mozcが採用されている)
このため、日本語入力は何の設定も必要なかった。
すごく便利。
3.2. Cinnamonをインストール
今現在、Cinnamonには安定した2.8と、先進的な3.0が用意されている。それに気づかずに先に入力したPPAが3.0だったので、そちらから試すことにした。
2.8はPPAを登録してインストールしようとするも、404で入手できなかった。
なので3.0をインストール。
Cinnamonをインストールして、いくつかの不具合があった。
3.2.1. インストールしたソフトがMintメニューに表示されない
"Ubuntuソフトウェア"からChromiumをインストールしたときに起こった。インストール済みになっており、"Ubuntuソフトウェア"から起動できる。
だが、Mintメニューの「インターネット」の項にはChromiumの姿はない。
再起動したらMintメニューに表示されていた。
困ったら再起動してみるといいかも。
3.2.2.サスペンドや再起動が選択できない
省電力のPCなら、電源を切らずにサスペンドで放置することもできる。通電していたほうが、部品の寿命がよくなるという。
Appleも1週間使用しないような場合以外はスリープを推奨している。
通常は「サスペンド」「キャンセル」「再起動」「シャットダウン」の選択肢が表示される。
しかし、「シャットダウンしますか?」という問いと、「キャンセル」のボタンしかなかった。
コマンドで解決するらしいが、私は3.0のパッケージとPPAを削除してから再インストールしたら選択肢が表示されていた。
再インストールはコマンドではなく、 以下のページのボタンから。
こんなこともできるんだなー。
初回のインストールはこっち。PPAは"embrosyn/cinnamon"となっている。
問題を解決するためにいじっていたが、日をまたぐことになった。
「GUIでできることはコマンドでできる」と思っていたのでググってみると、コマンドでサスペンドできた。
$sudo pm-suspend
3.2.3. Ubuntuはやっぱり重い?
Ubuntuが「重い」と評される理由は、デスクトップ環境"Unity"だと思っていた。ビットが違うので単純には比較できないのだが、
LinuxMint 17.2 Cinnamon 32bitでは起動直後に300MB。
対して、Ubuntu 16.04 64bitでは起動直後に1GB消費している。
単純に「64bitだから」とも言えなくもないが、どうだろう。
ちなみに、今のUnity環境とCinnamonでは消費メモリは300~400MBくらい差があった。
16GBに増設してあるが、昨日まで4GBでやっていたのでまだ慣れなかったりする。
3.2.4. テーマやアイコンもMintにしたい!
デスクトップの見た目も、Mintメニューも変更できた。ファイルマネージャもNemoに変わっている。
でもディレクトリのアイコンがコレジャナイ。
どうにかMintのテーマを入手できないか探したところ、解説してくださったページを見つけることが出来た。
"mint-themes-gtk3_3.18+2_all.deb"と、
"mint-x-icons_1.3.5_all.deb"はインストールできた。
しかし、"mint-themes_1.4.6_all.deb"は依存関係の問題でインストールできなかった(図3)。
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図3.gdebiでのエラー表示 |
テーマは"vertex"を使っているので、今のところは気にならない(図4)。
vertexのテーマを適用するには少しコツがいる。
うまくいかない場合は、適用する順番や種類を変えてみるとどこかで上手くいく。
ウィンドウの縁が白くなる異常もあったが、再起動したどこかのタイイングで解消された。
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図4.vertexテーマとMintアイコンを適用した場合 |
「UbuntuにCinnamonを入れればいいや」と思ったわりには、予想外の対応に迫られた。
LinuxMint 17.3はマイナーアップデートだったので、改善点はUbuntuの方が多かったのは事実だろう。
とはいえ、慣れたOSを使い続けたほうが楽だったという気はする。
4. ソフトウェアインストール編
4.1. conkyのシンタックスが変わっている?
homeディレクトリを引き継ぎ、隠しファイルの「conkyrc」もそのままだった。conkyをインストールすればそのまま使えると思っていたが、表示がおかしい。
conkyのインストールは以下のサイトを参考にした。
インストールしたのは「conky-all」。
バージョンは確認したところ、1.10だった。
$conky -V
見慣れた画面が表示されるが、どこかおかしい。
ネットワークの速度が0になり、OSの表示が文字列になってしまっている。
例)${pre_exec cat /etc/issue.net}と入力すると、画面には「LinuxMint 17.2 Rafaela」と表示される。
今の環境では、画面上に${pre_exec}とそのままコードが表示されてしまっている。
ググっても明確な答えは得られず。
また未解決の事例が増えてしまった。
4.2. XnviewMPが起動するために"gstreamer"が必要
XnviewMPは画像ビューワだ。特に気に入ってるのは、マウスホイールで画像を順送りにできるところ。
範囲を指定してトリミングすることもできる。
いちいちGimpを立ちあげなくて済む。
が、PPAからのインストールとdebパッケージからのインストールを試したが、ウィンドウが表示されない。
エラーはなく、プロセスも生成されていない。
この質問者にはエラーが表示されている。
「"gstreamer 0.10"をインストールしてみて」という結論だが、私の環境でそれが答えとは限らない。
ただ、homeディレクトリの隠しファイルに"gstreamer-0.10"のディレクトリがあった。
Ubuntu 16.04ではバージョン1.0がインストールされていた。
Mint時代の設定だとしたら、0.10をインストールすることで解決する可能性はある。
というわけで、「synapticパッケージマネージャ」からリンク先で書かれているように、次のパッケージをインストールする。
- gstreamer0.10-plugins-base
- gstreamer0.10-plugins-good
- gstreamer0.10-x
- libgstreamer0.10-0
よかったよかった。
4.3. Flashpluginをインストールしたい
今回はChromeブラウザはインストールしない。代わりに、Chromiumブラウザを使う。
共有メモリのトラウマ以来、ニコニコ動画で数本のアニメを観るときだけChromiumを使い、その他はFirefoxを使う習慣に慣れてしまった。
64bit環境に移って、flashpluginのサポートを心配する必要はなくなった。
flashpluginをインストールするには、次のサイトを参考にさせていただいた。
pepperflash-nonfreeは「synapticパッケージマネージャ」から一度試して失敗していた。
それで解決方法を疑っていたのだが、ちゃんとプラグインがインストールされていることが確認できた。
Chromiumブラウザのアドレスバーで「chrome://plugins/」と入力し、「Adobe Flash Player」が表示されていればOK。
バージョンは21.0.0.216だった。
3月の32bit版のサポート終了で、「32bitだけどどうすればいい?」という記事が多かったので、探すのは少し苦労した。
私の場合は、「64bitに移ったけど、どうやってインストールすればいい?」という感じだ。
5. その他のトラブル
5.1. freeコマンドの「s」オプションがエラーを吐く
Mint 17.2時代は、共有メモリが肥大化するのを防ぐためにターミナルでfreeコマンドを30秒おきに走らせていた。そのときのコマンドは次のよう。
$ free -ms30
しかし、Ubuntu 16.04で実行すると"second argument '30' failed"とエラーが返される。
第二引数である「秒」がおかしいようだ。
単位をMBにする「m」オプションは問題ない。
いくつかのパターンを試したが、どれも実行できなかった(図5)。
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図5.オプションの表記を変えるもエラーになる |
アップデートがあるようだが、redhat向けのrpmパッケージはさっぱりわからない。
また、ここでfreeコマンドを実行してわかったことだが、Ubuntuでも共有メモリは使用されていた。
アイドル時で40MB使われている。
肥大化しなければいいが、 早く安心して使いたい(切実
共有メモリ(shared)がゼロってどのディストリビューションなんだ?
5.2.デジカメを認識しない
手持ちのCOOLPIX S8100は、USBでつなぐと充電を開始し、写真が入ったディレクトリを表示してくれる。だが、今回組んだPCではUSB3.0/2.0のどちらに挿しても充電が始まらない。
ディレクトリも表示されず、外付けデバイスとして認識されていないようだ。
電圧の問題だったりするのだろうか。
数日前まで使えていたので、ケーブルが死んだとも考えにくい。
結局、カードリーダー経由で写真を取り出した。
さいごに
さっさとOSをインストールしてKritaを使おうと思っていたが、全然手を付けられない。記録を残すためにも、執筆をやめるつもりはない。
いっそのことKernel 4系や進化したgeditを諦めて、LinuxMint 17.3に移ったほうが楽かもしれない……。
また、今回はhomeディレクトリを引き継ぐ目的を達成したが、隠しファイルには使わなくなった設定ファイルが残っていた。
削除したSteamのディレクトリや、まだインストールしていないSkypeのディレクトリなどがそうだ。
これらがソフトのインストールに影響を与える可能性を考えると、クリーンインストールがやはり健康な方法なのかもしれない。
LTSで何年も同じOSを使うなら、問題ないだろうけれど。
他に問題があれば、多分新しい記事として書きます。
もう充分長いので、追記はしません。
Mintに移ってたら検証ができなくなることをご了承ください。